装備品の話など(2)

  2004年10月15日

 装備品の続きである。

 ラジオはいうまでもなく最重要装備品の一つである。河童の場合、漕いでいる間も、テントに入っている間も、テントを空けている間も、ずーっとラジオを流しっぱなしにしていた。いや、留守中のテントの中でラジオを鳴らしておくというのは、盗難防止に効果があるのよ。

 漕いでいる間に使っていたラジオは、そこいらでシャワーラジオとして売っている防水ラジオである。このシャワーラジオは、その名の通り、シャワーが少しかかるぐらいなら何とかなるが、海水がじゃばじゃばかかるような状況だと、すぐにくじけて音が出なくなってしまう。あけてみるとわけるけど、耐水のスピーカーと、ケースのつなぎ目にいいかげんなパッキン詰めただけのものなので、潮が入ると一発でご臨終なさる。まあ1000円やそこらで売られているものに文句も言えないし、何万円もする防水ラジオが潮をかぶってパーになってしまった時の方がはるかにさみしくなるので、そこはそれぞれお約束というものだろう。
 しかし、こちらとしても波をかぶるたびにラジオを替えるほど気前は良くないのである。そこで延命策を講じるのである。どうするかというと、この(自称)防水ラジオに、ビニールを1枚かぶせてしまうのである。だいたい、直接水が当たらなきゃ、どんな機械でもけっこう長持ちするんだ。
 河童の場合、ケースのつなぎ目にテープを貼って目張りし、ジップロックに入れてやった。ラジオはフックがついていて、これをコクピットのアイにぶら下げて使っていたので、フックだけ出してテープでふさいでおいた。もっとも、しょせんは安物。そもそも海水なんぞで使うこと自体が間違っているので、せいぜい2ヶ月ほどしか持たなかったが、十分である。
 河童は天草の沖を漕いでいる時、長崎だったかのラジオ局が旅に関する話をリクエストしていて、ちょうど漕ぐのにもあきたので、海の上から電話して、そのまま生放送に出た。こういうお遊びができるのも、ラジオをきいているおかげである。

 さて、海の上はこんないいかげんなラジオで十分なのであるが、陸上で使うラジオは、ちゃんとしたものを用意しておかないとひどい目にあう。2002年の旅では、コンビニで買った980円のラジオしかなく、悲惨な目にあった。
 NHKの地方局では、時間がおしてくると、自県の天気予報だけ読んで、さっさと放送を切り替えてしまうことが頻繁にある。ところが「いつでも、どこでも、安心ラジオ」というのは大嘘で、その県にながら、その県のNHKが聞けないことが、非常に良くある。周波数の読めないラジオしかない場合、一番良く聞こえるNHKの局にチューニングをあわせておくことになるのだが、実はその放送がとんでもなく遠いところだったりするから要注意なのだ。とくに夜間とリアス式海岸は危ない。

 さすがに2003年には、NHKの放送局周波数一覧表と、周波数の直読みできるソニーの「ICF−M260」というラジオを持っていった。某社から出ている本格アウトドア用ラジオがあるのは知っていたが、3万以上もするものが買えるわけがない。3万もあったら、半月は楽に旅ができるのである。
 それで、このラジオであるが、確かに良く聞こえた。周波数もびしっと決まるので、どこの局か迷うこともなかった。
 ただ、このラジオはスピーカーが今ひとつで、音量が小さい。部屋の中なら問題ないのだが、風が強い時など、テントの中では聞き取りにくかった。帰ってきてから気づいたんだが、イヤホンを使えば良かったんだよな…。
 このラジオにあと二つ機能が欲しい。なぜか、このラジオには液晶のバックライトがない。真っ暗の中だと、ライトをつけないとなにも見えない。ついでに、なぜか時計がついているのに、お休みタイマーもついているのに(30分後に自動的に切れる)なにゆえにONタイマーがない? これがついていたら、朝起きる時にずいぶん気分が良かったと思う。

 参考までに、名古屋の東海ラジオは、夜になると全国どこでも聞こえます。なぜ?

漕いでる間用ラジオ。
見にくいけど、隙間にテープが
貼ってある。
ちなみにセロテープ(笑)
こいつがテント内用。
もともとアウトドア用ではない。
ラジオに何万円も出せるかいな。