山形県はサクランボ

2003年7月13日

山形県渥美町

 今日は行けるかと思って、かわうそを出してみたものの、1時間もしないうちに北風が吹き出して、これはまずいと引き返してきた。片づけをしていると風はどんどん強くなって、工事船に付いている吹き流しが真横になってしまった。山形県に入ったものの、どうも先へ進めないでいる。

 新潟のY-14クラブ会員、高野さんの家でお世話になり、夜中の3時過ぎまで飲みに行ったりしたいたが、そんなことをしているといつまでたっても先に進まないので、もう雨が降ろうとヤリが降ろうと出ると宣言して、9日に新川港を出てきた。しかし、下手な宣言をしたせいか、新潟東港に入る直前から大雨が降り出し、東港の入り口にある漁港に付いたときには土砂降りもいいところ。かなり広い港の荷揚げ場は一面湖になっていて、テントをはるどころではなかった。しばらく途方に暮れていたが、気を取り直し、まずやったことは排水工事だった。つまっている排水路を掃除し、水を流れるようにして、ようやく湖の中に島を作り、そこにテントをはったのだが、ともかくこの日の一晩で、寝袋から何からびしょぬれになってしまった。もうやけになって、テントの中でマルタイのラーメンを作り、さっさと寝てしまった。

 翌日、今度は岩船という港に向かって出港した。ところが、なぜか潮が逆に流れているようで、いっこうにスピードが出ない。日本海は対馬海流が流れていて、基本的には北向きに流れているのだが、表層はいろいろに流れているようで、この日は南向きに流れていた。風は東から吹いていて、どんどん沖に流されていった。このまま行くと、佐渡に流されそうだったので、東風に無理矢理逆らい、岸べったりにはりついて、砂浜の浸食防止におかれたテトラポットの内側を漕いでいった。さすがにここまでは潮が流れておらず、それまで3キロ程度だったスピードも4キロ台に戻った。まったく、かなわんぜ。

 岩船の港にはいると、また高野さんが待っていた。実は東港にも来てくれて、見送りをしてくれたのだ。今度は奥さんもご一緒で、わざわざ待っていてくれたようだった。しかし、ここもまた雨が降り出して、びしょぬれのままだった。高野さんが帰ったあと、雨の中テントを張り、近くにある温泉に行った。当然雨は降っているので、カサをさしていったのだ。ところが、ここの温泉にちと問題があって、河童はお怒りなのである。まあ、掲示板にも書いたので、いまさら名前は出さないが、瀬波温泉の某浴場に行ったのであるが、入泉料が800円。入ろうとすると税別で840円。中にはいるとロッカーに100円。合計940円也である。この温泉、施設も新しいし、露天風呂もでかいし、東茨城の五浦観光ホテル以来の滝もあった。しかし、商売のしかたが気に入らない。いやしくとも本州の太平洋がほとんどすべて、日本海側も西日本を網羅してきた沿岸温泉評論家の河童としていわせてもらうが、温泉の入泉料は500円が平均である。ついでに、いまごろロッカー代を取る温泉はまれである。というより、見なかったぞ。ともかく、ちまちまと表示してある入泉料からオーバーしていくのは、客の心理としては非常に気に入らない。これならいっそのこと入泉料税込み1000円として、ロッカーも無料にすべきである。こうすれば、河童のように風呂に1000円は払いすぎであると思う人は、はじめから入りにいかないし、イヤな気分で帰ることもないと思う。河童はこういう温泉には二度と行きたくないので、もう行かないであろうが、温泉評論家として、厳しく批評しておく。
 ちなみに、ここより少し南に、700円の温泉もあったのだ。ここは入らなかったので、税込みなのか別なのか、ロッカー代を取るのか、取らないのかわからないが、少なくともここに入った方が100円は得したはずである。そうすれば、河童は大好物のアイスがひとつ食べられたわけで、惜しいことをしたと今でも思っている。雨が降っていたので、戻るのもめんどうだったのだ。

 さて、翌日新聞社の取材などを受けながら、漁師の皆さんに見送られて岩船を出発した。温泉のことはさておき、岩船の皆さんには大変優しくしていただいて感謝している。この日は珍しく追い風、追い潮でどんどん進み、夕方無事44キロ先の鼠ヶ関に入った。港に入ってすぐ見えたスロープにかわうそを引き上げ、自転車を組み立てて町を見物にいった。ここにはマリーナがあって、けっこうな数のヨットとボートがおいてあった。何年か前には、FJの選手権も開かれたらしい。翌日、出るつもりだったので、郵便局でお金をおろし、スーパーで食料品を買って港に戻った。
 ところが、テントをはってスパゲティをゆでていると、雨が降って来るではないか。この日は、2日ぶりに雨が降らず、やれやれと思っていたのだが、やっぱりダメらしい。テントの中でスパゲティを食べていると、雨はますます強くなって、テントはますますカビくさくなった。

 12日の朝、一応3時半に起きてみると、外は嵐だった。テントは風で揺れ、外を見るまでもなかったので、そのまま寝てしまった。7時ぐらいに目を覚ますと、雨は止んでいたものの、北風がぶんぶきで、とても出られる状態ではない。あ〜あ、と思ったのだが、その後、自作仲間の鈴木さんが鶴岡から遊びに来て、さあ行くぞ、と二人で遊びに行ってしまった。鶴岡見物をして、帰ってきたら夜である。

 そして今日13日、出してはみたものの北風が強く、戻ってきた。しかたがないので、昼ご飯を食べたあと、近くの道の駅にやって来てこれを書いている。無料の休憩所があるだろうと思っていたら、立て替えをしている最中で無料の休憩所がなく、かといって海岸でパソコンを開くわけにもいかないので、食堂に入り、やむなく生ビールを注文して席を確保しているのである。とはいえ、一杯の生ビールでいつまでも長居するわけにもいかないから、もう帰るのであるが、このビール代はいったいなんのためのビール代なのであろう。いまさら説明するまでもないが、ホームページの維持にはさまざまな手間と費用がかかるのである。

 それにしても、明日は進めるんだろうなあ。ああ、北海道はますます遠い。

新川港にて。高野さんと。
ちなみに高野さんはリタイヤして
悠々自適。
出た直後から雨がぱらぱらと。
これはまだ余裕がある頃。
土砂降りになった。
岩船の出航前。
一番前のジャケット姿は、地元
村上新聞の取締役。
名刺渡せなくて申し訳ない。
瀬波温泉街。
けっこう観光地らしい。
鼠ヶ関にて。
ちなみに「ねずがせき」と読む。
鈴木さん。
月山あさひ博物村というところにての一枚。
なぜかアマゾン自然館という博物館がある。
同じところでの河童。
後ろに見えるのは、アナコンダの皮。
お金持ちになれるか?
出戻ったあとの風景。
まずはともあれ、濡れたものを乾かした。
風は強いが、天気はいいのだ。
先日の残りのスパゲティをゆでている。
コンロは快調に火を噴いているのだが、
温度が低くなってきて、普通のボンベでは
火力が弱くなってきた。
やはりSOTOのオリジナルが欲しい。