河童に出前が届く

2003年4月25日

大分県佐伯市

 台風である。熱帯低気圧に成り下がったとはいえ、台風は台風で、さきほどすごい勢いで通り過ぎていった。さいわいに、漁協の方が屋根のあるところへ移動させてくれたので、雨も風もしのぐことができた。やれやれ。

 ところで、例の水没、いや水濡れカメラは、やはり復活しなかった。乾燥剤と一緒に密封して一晩おき、電池を入れてみたところ、無事にレンズが出て撮影可能状態になったかと思ったが、シャッターがおりなかった。ついでに、ズームのスイッチもきかない。上から水がかかったので、上についているスイッチに水が入ったと思う。くやしいのでばらしてやろうかと思ったが、台風のさなか、テントの中でそんなことができるわけもなく、泣く泣く新しいのを買ってきた。とはいえ、もう2年も前に買ったモデルなので、当然同じものはない。防水ケースの関係上、同じシリーズしか選択肢がないし、それとてすでに型落ちなのだ。これを地方で探すとなると、下手をすれば見つからない。運良く、近くの家電店でひとつだけ残っているのを見つけて、さんざん値切って買ったのだが、買ってみたら展示品販売であった。もう一押しすればよかった。
 とはいえ、ともかくこれで写真付きのホムペは維持することができるので、読者諸君は安心されたい。今度のは300万画素である。こんなのだれが使うんだと思うが、ここにつける写真はこれまでと同じサイズに縮小するので何万画素だろうと、全然関係ないのである。

 今日の事件(?)は昼におこった。午後は雨が降る予報が出ていたので、午前中に洗濯に行き、カメラを買って、テントの中でマニュアルを読みながら、そろそろ昼だなぁ、と思っていたら、テントの外から声がかかった。
「出前で〜す」
 は? 断っておくが、旅に出て以来、一度も出前など頼んだことはない。そもそもどうやって頼むんだ。
 何のことかと思ってテントから出ていくと、冗談ではなく、本当にチャンポン麺片手に食堂の店主らしき人が立っていた。話を聞いてみると、朝、かわうそ号を囲んで話をしていた人が、差し入れしてくれたらしい。昨日買ったパンでもかじろうと思っていたところへ、おもわぬごちそうにありついてしまい、大感激である。このチャンポン、ホタテやらエビやらがたくさん入っていておいしかった。もちろん、あとで訪ねていって、お礼に河童のスペシャル絵葉書をプレゼントさせてもらった。

 さて、明日出られるかどうかは流動的である。一応、出るつもりではいるのだが、台風崩れの低気圧が行ったあとの風と波がどうなるか。陸は天気が良さそうなんだが、海はそういうわけにも行かないのだ。波が残りそうなんだよな〜。

出前のチャンポン。
うまかった〜。
移動したテント。
このあと、3時間にわたって吹きまくった。
ここでさえテントが浮いた。よかった〜。
新しいカメラに、セルフポートレートモード
という自分を撮るための設定があったので
ためしにとって見た。
油断して日焼けしてしまったので、今後は
美白に気をつけるつもりである。