自然保護はどこへ行った?

2003年3月15日

 横浜のタマちゃん騒動は、まだ続いているみたいだねえ。なにやら怪しげな団体が、網を張ったり、エサをばらまいてみたり、ヒマなのか、平和なのか…。

 とある北の方の港町で、漁師と飲んでいたときの話である。
「いや〜、タマちゃんは幸せ者だよなあ〜」
ふとあがったタマちゃんの話題に、漁師がつぶやいた。
「ほお、この辺でもアザラシとかでるんですか?」
「おうよ。何年かに一度はかかるなあ」
「あんなでかいもの、定置網に入ったら大変でしょう」
「いや、そうでもないぞ。たいてい弱っているから、とっつかまえて、ほいっでおしまいだぁ」
「ふ〜ん、どうするんですか? そのアザラシ」
「どうって、なあ、おい」
漁師は一緒に飲んでいた仲間の方を見た。目配せをされたもう1人は、コップに入った焼酎をぐいと開け、こう言った。
「そりゃ、お前、ナベだよ」

 タマちゃんは幸せ者だぁ。

 さて、河童が書いた企画書に、たしかにゴミ捨て防止を訴えるとか、自然保護を訴えるとか書いたような覚えがある。しかし、海道をゆくの熱心な読者なら、どこにもそんなことが書いていないことに気づくであろう。なんだか、温泉の話と、食い物の話と、パソコンの話ばかり読まされて、自然保護なんて聞いたこともないぞ、というに決まっている。
 そう、実は全然書いていない。

 しかし、そういったことを考えていないわけでもないのだ。ゴミ捨て云々の件でも、書くことはいくらでもある。なぜかというと、日本の周りはともかくもうやたらめったにゴミが浮いていて、ものすごいことになっている。自然保護の話だって、書こうと思えばいくらでもかける。
 ただねえ、正直言って、それをどう書こうかと言うところでずっと悩んでいるのだ。というのも、ゴミの問題にしても、自然保護の話にしても、人間の営みと密接に関わっていて、片側から意見を述べるのは、あまりに単純すぎる気がするからだ。
 たとえば、自然保護を訴えるにしても、じゃあ開発に反対するだけでいいのだろうか。日本の海岸線は、もうめっちゃくちゃにいじくられてしまって、取り返しの付かないところまで来ている。1村1港どころか、1集落1港という感じで、少し荒れたら使えないような小さな港を津々浦々に作りまくってしまって、磯場だとか入り江をつぶしまくっている。その結果、水産物は減る一方なので、今度は人工飼育に取りかかるというようなことが、たくさん行われているのだ。もちろん、これを間違っているというのは簡単なのだ。
 しかし、この土地の人たちがここにたどり着くまでの課程があって、それは非常にややこしい。結局は、人間の都合で、どこまで自然に手を加えるべきなのかという、難しい問題に行き当たってしまうのだ。その答えがわからなかったので、自然保護に関することは書かなかった。片側からの意見だけ書いてりゃ、それでいいのかもしれないけど、河童的には納得がいかないしね。この問題は、引き続き考えます。

 そういえば、トップに例の白血病の子供のページにリンクをはっておいたおかげで、妙に理解されているところもあるみたいだが、特に何を考えてやったわけではないので、誤解しないでほしい。ああ、こんなんがあるのか。じゃあ、はっておくか、ぐらいの軽い気持ちです。ちなみにこの子、ドナーは見つからなくて4座一致の臍帯血移植だって。これ以上は、難しくなるのでやめる。
 さて、いまから荷物まとめるか。

細かい準備もある。
これはガソリンタンクの塗装。
さびさびになってしまったので、新調
したのだが、塗装が薄いので、再塗装。
ついでにゴムの足をつけてみた。
自転車載せ場。
写真撮影のために遊んでみた。
発電機はまたここにはいる。
となりで制作中のG藤さん。
自設計自作のフネなのだ。
新しいバーナーとナベで無洗米を炊く実験。
ナベは底が三重構造になっているもの。
実験成功。
ナベの底が一面にこげているのは、熱が
全体に回っている証拠。
ちなみにこげているのはわざと焦がしたから。
けっして、河童が下手なせいではない。