新年あけましておめでとうございます。といっても、年が明けてからはや10日。いったい河童は何をしていたんだという疑問もおありでしょうが、こっちはこっちで何かと忙しく、落ち着いて机(というべきなのかどうか。いま、仮住まいの河童には机はなく、例の発電機の段ボール箱などを重ねた上にモニターとキーボードを置いてこれを書いている)に向かう時間がなかった。今日はよくやく1日フリーの休日だったのだが、昼は昼で支援者のところへあいさつに行き、夜はまた別の支援者のところへあいさつに行ってきたのである。もちろん、これまでのお礼をのべるためにおうかがいしたのであり、けっしてご飯をごちそうになりに行ったわけなどではないはずである。たとえ、訪問時間がメシ時に重なってもだ。
さて、それで今日書くのは、お昼のうなぎの話でもなく、夜の中華の話でもなく、旅先で食べたナゾの食べ物の話である。
旅先では、もちろんいろいろなものを食べた。一番多かったのがインスタントラーメンであったのは、あえてここで語るまでもないが、その土地土地のものも食べ歩いてきたのである。その中には、すでに書いたウニだのホタテだのヒラメだのといった高級品(?)から、見たこともない聞いたこともないという珍品にいたるまで、さまざまなものがあった。
そして、今回取り上げるのは、知る人ぞ知る珍品、「ホヤ」である。
ホヤというのは、正式には原索動物門尾索綱ホヤ目のマボヤというらしい。しかし、もちろんのことそんなことはどうでもいい。そんなことがわかったところで、ホヤというものについて少しも理解したとは言えないのである。ちなみに、ホヤとはこれである。
このバケツの中に入っている、タマゴンが産んだ卵のようなものがホヤである。これが東北の海の珍味なのである。どうやって食べるかは、これから説明する。
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まず、ホヤを海から取り出す。 |
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そして、このおどろおどろしい皮をむく。 |
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すると中から白い身(?)が出てくる。 |
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これを適当に切り刻んで食す。 好みによって、しょう油をかけたり、 三杯酢で食べてもいいらしい。 |
味はというと、これがまたまったく表現の方法がない。海の味とでもいおうか、ともかくホヤの味としか表現が見あたらないのだ。口に入れたとたん、猛烈に口の中に広がる味は、生臭いと言えないこともないぐらいに独特のものがある。ホヤを生産するのは、ほとんど東北の太平洋側なのだそうだが、ここでさえホヤは好き嫌いが別れるという食べ物であるらしい。なにしろ切り身を皿に盛っておくと、どんどん水が抜けていって、30分もすると味がかわるという、繊細で微妙な食べ物なのだ。
ちなみに、一部通信販売でも売っているらしいが、ホヤほど新鮮でないと味の落ちるものもないらしく、そんなんで買ったものはうまくないらしい。
河童はというと、せっかく出されたものなので、残らず食べました。好きでもないし、嫌いでもないと言う感じかな。こういう臭いのきついものは、泡盛とかウォッカと一緒に食べるといいのかもしれない。今度、東北に行く時には、ぜひとも持参していくつもりである。
しかし、この食い物、形といい味といい、最初に食ったやつは相当の勇者である。他に食い物なかったんかいな?