薬研温泉 かっぱの湯

2002年10月4日

青森県下北郡大畑町

 大畑の町から10キロほど山に入ったところに、薬研温泉という温泉がある。そして、そのさらに奥に奥薬研というところがあって、そこにその名も「かっぱの湯」という露天風呂があるという話は聞いていた。しかし、そう長く滞在するわけでもないし、山奥でもあるので、大変心残りではあるが、行けないだろうと思っていた。ところが、台風は来るは、風は吹くはで、なんだかんだと出発できず、幸運にも(?)かっぱの湯へ行けることになってしまったのである。

 行くといっても、もちろん河童の足は自転車である。薬研には、バスも通っていることは通っているが、このバスが1日1本。しかも、薬研滞在5分で戻って来るというタイムテーブルで、とても乗れたものではない。しかも、先日の下風呂温泉往復1280円というバス代の記憶は新しく、大畑ー下風呂よりも、ずっと乗客の少ないと思われる大畑ー薬研のバスなど、怖くて乗れたものではない。
 町の人に聞いた話だと、山奥ではあるが、それほど坂もないということで、サイクリングがてら出かけてみようかという気になったのである。

 薬研へ向かう道は、大畑川沿いをずっと恐山に向かってのびている。途中、左に道が左右に分かれ、右に行くと薬研、左に行くと恐山に向かう。恐山に向かう道は、12月から5月までは通行できないそうで、どうしても行きたい人はスノーモービルを使って行くのだそうだ。なんでも、冬の恐山へ行って温泉につかる(恐山には温泉がある)というのは、恐山マニアの密かな楽しみになっているようで、いつでも観光客がいる夏の恐山などには見向きもせず、夏の間はスノーモービルの手入れをしながら、冬が来るのを待っているらしい。

 1時間ほどこいで、いよいよ薬研温泉についた。森の中に、いきなりホテルがあらわれた。おおっ、こんなでかい建物があるんだ、と思っていると、その一角だけで薬研温泉は終わってしまった。薬研温泉は、それほど大きくないようだ。かっぱの湯はさらに先の奥薬研と言われるところと聞いていたので、さらに川沿いの道をのぼっていくと、ほどなく道の横に風呂があった。これも、囲いも何もあるわけではなく、道路から一段下がった河原に、ぽんとタイル張りの風呂がある。下りていくと老人が1人いたが、どうもここはかっぱの湯ではないらしい。
 さらに上流をめざしていくと、「奥薬研 かっぱの里」と書いた大看板があった。そのわきに、小さく「かっぱの湯」とついている。ついにかっぱの湯に到着である。

 広い駐車場があり、そこから川の方へ階段を下りていくと、大きな湯船があった。簡単な脱衣所はあるが、風呂に囲いはない。ちなみに、脱衣所は男女に分かれているが、湯船はひとつしかない。もちろん、湯船にしきりもない。ということはつまり、かっぱの湯はいわゆる混浴、なのであって、いや混浴なのである。そして、まあ混浴なので、混浴な事態に遭遇するわけなのだが、なにぶんにも混浴のことなので、ここに混浴の詳細を書くわけにはいかない。よって唐突ではあるが、かっぱの湯の話はこれで終わってしまうのである。

 いや〜、いい混浴だった。 

恐山は、大畑町内にあるのだが、
あそこだけむつ市の飛び地になっている。
薬研温泉の看板。
森の中から、突然ホテルがあらわれる。
しかし、通り過ぎるとまたなにもなくなる。
これが、第一の風呂。
そしてついにかっぱの湯に到着。
かっぱの湯の由来。
次回はぜひ満月の夜にフキの葉を持って
行きたい。
これがかっぱの湯。
かなりでかい湯船が川沿いに作られている。
河童の像と河童。
このフレームの外には…、ムフフ。
もう一つの河童像。
頭がおかっぱなのが気になった。