魚釣り大作戦

2002年8月26日

宮城県本吉郡唐桑町

 魚釣りの技術を習得しなければならない。というのも、さすがに田舎というか、僻地というか、何もないエリアに突入してきて、食料の確保に苦労する地方にさしかかってきた。店というのは、ないわけではないのだが、先だっても書いたように、賞味期限切れのものが平気で売られていたりするので、ある程度食料を自給する体制を作っておかないと困る。最近、カンヅメ一つに暖めるだけのインスタントご飯という食事になってしまって、少々エネルギー不足である。これを打破するためには、何とか自力で魚を釣って、おかずを増やすしかないのである。

 そもそも河童は魚釣りをしない。あの釣れるのを待っているというのが性に合わない。この旅に出る前に、それでも何回か練習には行ってみたものの、やはりおもしろいとは思えないのである。あの待っている時間に何ができるかと考えると、どうももったいないような気がするのだ。いや、もちろんろくなことをしていないのは言うまでもないのだが、それでもどうにも釣りをするよりは寝ていた方がましな気がするのである。

 しかし、この期に及んでは好き嫌いは言っていられない。ことは食糧事情にかかわる。しかし、どうやって釣るか。かわうそ号で移動中に、釣りをしている時間はない。とりあえず考えているのは、かわうそ号でルアーを引っぱると言うことである。運が良ければ、何か釣れるかもしれない。ただ、問題は釣った魚をどこにおいておくかだ。クーラーはもちろんないし、デッキの上に置いておけば、直射日光が当たって、すぐに痛むのは目に見えている。港に入る直前に釣れるのなら、まだデッキから横にぶら下げておくという方法もあるが、いつ釣れるかわからないものだし、なにかいい保存方法がないのかと考えあぐねている。

 このルアー牽引にはもう一つ問題があって、網の上を通るときにどうしたらいいのだ? このあたりは、定置網やら養殖のやら、ロープがところどころ浮いている。かわうそ号など、引っかかるところがないので、そのまま上を通ってくるのだが、ルアーを引いていると、ひっかかるおそれがある。いちいち巻き上げるのもけっこう面倒だし、そもそも荒れているときなどパドルから手を離す余裕がない。こういうときもどうしたらいいのか、考えておかないといけない。

 ともかく、栄養不足を補うためにも、近々釣りを始める予定なので、またどんなことをしたかは報告する。いろいろ作戦を考えているのだ。

海はあるんだ、いつでも。
魚がいるかどうかは知らない。