杜の都の河童さん

2002年8月5日

宮城県宮城郡七ヶ浜町滞在

 一般に北の人は口が重い。いろいろ話をしていても、相手がどう思っているのかよくわからないことが多い。旅の話をしていても、はたしておもしろいのか、つまらないのか、さっぱりわからない。ところが、人情は厚く、知らないあいだに手配がすんでいて、あれよあれよという間に寝床が確保されていたり、食事の用意ができていたり、驚かされることがよくある。
 仙台もその流れをしっかりとくんでいるようで、河童も、こちらでサポートしてくださっている海賊さんも知らないあいだに、エアコン付きの寝床が用意されていた。宮城外洋帆走協会というところに、かわうそ号を置かせてもらっているのだが、ここの偉い方が「遠来の旅人を苦労させちゃいけない」と、事務所を貸してくれたのである。おかげで2日続けて固い壁と屋根のあるところで寝られる。テント生活も、それなりに快適なのではあるが、3匹の子豚の例を出すまでもなく、壁と屋根は硬い方がいいのは事実である。

 さて、昨夜は海賊さんのところにご厄介になっていたので、今朝から仙台の町を走り回っていた。なにしろ本州最後の大都市。ここでやりたいことは山ほどある。
 まず、UFJ銀行に行って通帳を付け合わせ、残高が残り少なくなっていることを確認し、次に公衆電話のタウンページで安い床屋を探して、1500円で髪を切ってきた。その後、どうしても見たかったジブリ作品「猫の恩返し」を見に行って、最後に登山用品店に行って買い物をしてきた。1日でこれだけやろうと思うとなかなか大変で、昨夜のうちからネットで場所を調べて準備しておき、自転車で走り回ったのだ。
 仙台は、今日七夕の前夜祭の花火があるそうで、浴衣姿の女性がたくさん歩いていた。やっぱり仙台は都会で、人の多さに参ってしまう。歩道は広いのだが、自転車で走るのにとまどってしまった。
 あいかわらず間が悪く、明日から七夕祭りなのだそうだ。今日はその飾り付けが行われていて、揺れているはずの七夕の飾りはビニールに包まれていた。もちろん、思い出は返ってこない。

 明日は、ここに停滞して、フネの整備と装備の手入れをする予定。前のハッチの金具がまた取れかけているので、ネジ止めして補強する。幸い、この近くにヨット用品を扱っているお店があるので、ロープなどもある程度交換する予定だ。

 さすがに夜が涼しい。杜の都は、人も風もさわやかである。

七夕の飾りは揺れるのだ。
これは昨日のショット。
海上をゆく河童さんなのだ。
しかし、荷物多いなあ。