福島県沖、波高し。

2002年7月23日

小名浜港滞在中

 陸の人の感覚では、台風はまだまだ先の話だと感じているだろうが、海の上はすでにとんでもない状態になっている。

 今朝は、昨日のリベンジを果たそうと、フネも何も準備して、またしても出た濃霧のはれるのを待っていた。今日の霧は下の方だけ漂うという種類の霧で、空は晴れているのに水面が見えないというものであった。結局、ウニ漁の漁師は出漁中止になってしまい、三々五々帰っていったのだが、河童はスクランブル体制のまま待ち続け、9時頃霧が少しはれたのを見計らって出航してみたのである。

 ところがだ、海は霧よりもとんでもないものが待っていた。大波である。漁師に「なぐろ(波)がでてっからな」と言われてはいたものの、今日の予報では2メートルの波。いっちゃわるいが、よほどの凪でない限り、2メートルぐらいの波は出ているのが普通なのだ。しかし、港の防波堤を出る時で、すでにどう見たって2メートルの波ではない。防波堤のはしのテトラポットに打ちつけた波が渦を巻いている。セーリング仕様でアウトリガーを付けたかわうそ号の運動性はおそろしく低いので危なくてしかたない。なんとか港の出口をかわし、沖に向かってこぎ出してみたものの、向かい波になって進まない。北に向かって進むには、まず港から東に向かってかなり進む必要がある。この辺りの岸よりはほとんど磯になっていて、近寄れないため、大回りしなければならない。しかし、その磯には盛大な巻き波が立っている。遠くからなのではっきりとはわからないが、軽く3メートルは超えていそうだ。こんなところを越えられるわけがないので、とっとと引き返すことに決めた。

 とはいえ、そのまま帰ってももったいない。なにしろ、準備するのに2時間はたっぷりかかっているのだ。せめて元は取ろうと、セールをあげて、上らせてみたり、おとしてみたり、ジャイブしてみたりして帰ってきた。スロープにつく頃には風があがり、風上に向かっては進めないぐらいになっていた。早めに切り上げてきて正解であった。

 ちなみに明日の波の予報は2.5メートル。あさっては3メートルである。ただし、これは沖での話であって、この辺りの沿岸部は水深が浅く、うねりは倍ぐらいの高さになってうち寄せてくる。まーた、しばらく足止めである。まったく、どうしてこんなに台風が多いんだか。誰か止めてくれ〜!

野宿場所。
なかなか居心地がいいんだな。
河童のGPSが話題になった。
小さいからなぁ。
これが、低空霧。
地上部分だけかかっている。
うねりで岸が見えない。
やはり下の方だけもやっている。
帰ってきた漁港。
旗を見ると、かなり吹いている。
港に帰ってきてから、ホームセンターに
行って、ガターボードを作った。
帆では風上に向かわないと宣言していたが
こうも足止めを食らうと、何でもやってやろう
という気になってくる。