河童、族止め

2002年7月20日

大津港滞在中

 さんざん予告しておいて、今日こそは大津を出たと思うだろう。しかし、今夜も大津にいるのである。梅雨も明けたし、天気も上々。では、なぜ今日も大津を出られないのか。そこには、非常に頭に来る理由がある。

 実は昨夜、港の近くで一晩中暴走族が騒いでいた。かわうそ号のおいてある船曳場は、港の一番奥にあって、夜はチェーンで封鎖されてしまうので、おそわれる心配はないのだが、音は封鎖できない。ましてや、テントは布一枚で、雨こそ防げるものの(風はすでに怪しい)音は筒抜けである。ただでさえ寝苦しいこの季節、騒音があいまって、河童はほとんど一睡もできなかった。
 4時に目覚ましが鳴ったのだが、起きたというよりは、時間がきたという感じで、まったく覚醒していなかった。寝不足というには、あまりにひどい状況である。起きあがってはみたものの、呆然としてしまって意識朦朧とはこのことかと、朦朧とする意識の中で思ってみたものの、とてもフネを出せる状態ではなかった。
 しかし、風止め、波止め、雨止めというのはしかたないが、族止めという事態が起こるとは思わなかった。まったく腹が立つ。河童が王様になったみぎりには、「睡眠妨害防止法」というのを制定して「人の安眠を故意に妨害する者は、死刑もしくは終身、もしくは無期懲役に処す」としたい。大体、税金も納めて、ゴミも分別して、法律だって守っている者が、どうして無法者の被害を受けなければならないのだ。河童としては、犯罪被害者友の会にでも入って、茨城県警の無能ぶりを追及したい気分である。

 そんなわけで、1日ぼうっとしていたのだが、いくらなんでもそれではひどいので、かわうそ号をセーリング仕様にしてテスト帆走してみた。初めてアウトリガーを付けて漕いだのだが、重い! もともと、静水域で安定性を増すためのアウトリガーなので、左右ともべったり水面についてしまって、ものすごい抵抗になった。その代わり安定性は抜群に増して、デッキの上を歩ける。しかし、アウトリガーはセーリングをするつもりなら付けておいていいが、漕ぐのならとても付けておけない。かといって、洋上で取り付けするのも不可能なので、これまたどうしたらいいものか。また、頭を悩ます問題が出てしまった。
 もっとも、今日使ってみた感じでは、そこそこ風が吹いていれば、漕がずにすみそうなので、これからはできるだけセールを使うつもりである。漕がなくていいのなら、夕方まで走っていてもいいので、これは距離が稼げそうだ。しかし、その分食べ物と飲み物を増さないといけない。生水は怖いので、スポーツドリンクを飲んでいるのだが、1日2リットルぐらいは軽く飲んでしまう。これもけっこうかかるんだよね。

セーリング仕様のかわうそ号。
後ろにアウトリガー。マストは固定して、
セールはハリヤードで引っぱる形にした。
ハリケーンの伊藤さん、見てます?
スペクトラのロープ、20メートルほど送って
欲しいんですけど。
あまり風はなかった。
アウトリガー。
空気を入れてふくらますのだが、水温が低いので
水につけると縮む。ふと見たら、折れ曲がっていた。
何とか入れ直したけど、外でそうなったら危ない。
かきをもらったので、焼いて食べた。
河童、いいもの食ってるじゃないか、と思うだろうが、
それは間違い。
こういういいものは、もらったもの、ごちそうしてもらった
ものばかりである。
ちなみに、今日のメインディッシュはこれ。
あと、ビタミン剤と食物繊維。