空飛ぶかわうそ号。

2002年7月3日

 どーも「空飛ぶ」と言うと、後に「モンティ・パイソン」とつけたくなるのだが、飛んだのはBBCではなくて、かわうそ号である。

 海道をゆくの長期滞在記録を更新続けていたかわうそ号であるが、ついに那珂湊マリーナを旅立つ日が来た。なぜこんなに那珂湊マリーナでの滞在が長引いたか不思議に思うであろうが、理由は簡単である。このマリーナは、那珂川の河口から少しさかのぼったところにあって、淡水なのである。河童もかわうそも、元は淡水性の生物なので、ひさびさに塩分のない水を得て、すっかりくつろいでしまったわけである。

 さて、かわうそ号であるが、実は那珂湊マリーナにはちゃんとしたスロープがない。一応、スロープらしき岸はあるのだが、コンクリートではなく泥で、ここへかわうそ号を降ろして、さらに荷物を詰め込むとなると一苦労である。そこで、社長にお願いして、なんと、あの大型クレーンでかわうそ号を降ろしてもらうことになったのである。どのクレーンかは、那珂湊マリーナのページに写真が出ているので参照されたいが、14トンまで吊れるクレーンである。こんなクレーンでカヌーを降ろすなど、たぶん日本で初めての事であろう。というより、まずやってくれるマリーナがないと思うけど。

 そして歴史に残るべき7月3日午前10時20分、荷物を満載したかわうそ号はしずしずと、いや正確に表現すると、ひょいっと空中に舞い上がった。当たり前である。いくら重いとはいえ100キロ程度。このクレーンで上げればわけない。そして社長の操作でクレーンが下げられると、かわうそ号はゆるりと水面に戻ったのである。実に2週間ぶりである。さっそく、河童も乗り込み、ひさびさの海に出ていった。とはいえ、那珂川の河口は波が怖いので、港に抜ける水門からの裏口出発である。実に河童的な出発なのである。

 2時間ほどで、目的地の磯崎漁港についた。たった10キロである。港にいた人の話で、すぐ上に温泉があるというので、フネの片づけも早々に出かけていった。ひたちなか市の市営ホテル「ニュー白亜紀」というところで、温泉につかった。やはり、漕いだ後の温泉はいい。すっかり、旅気分を取り戻した河童なのであった。

ひさびさに準備するととまどうんだ。
社長と記念写真。
照れるかわうそ号?
そして、空を飛んだかわうそ号。
よく考えると、リフトで持ち上げられたり、
クレーンで吊られたりと、いろいろな
経験を積んでいるなあ。
一度やってみたい冗談だと考えていたが
本当に実現するとは思ってなかった。
お見送り〜。
どうもお世話になりました。
また遊びに来ますよー。
磯崎の酒列磯前神社に生えていたキノコ。
群生していた。
こ、この風景は!
そう、「千と千尋の神隠し」のあの風景ではないか!
これに灯がともったら帰れないのである。
ちゃんとお参りもしてきたけど、どうしても
この風景が気になるのだ。