最終レグ1

  2004年7月20日

三重県南島町古和浦湾さらくわ〜蒲郡

 かわうそ号帰還式の日程が決まりました〜。8月8日お昼の12時から、あの愛知県蒲郡市竹島海岸にて、盛大に(?)とりおこないます。雨天決行、というか台風だったらやめるけど、もし天候が悪くて、こりゃダメだという時には、前日にホームページ上でアナウンスします。

 さて、それで最終レグの話です。
 まあ、これもまたバタバタというか、いつも通りのかわうそペースというか、たいへんでした。この夏に、昨年の出発地、紀勢町錦から蒲郡へ漕ぐということは決めていたものの、仕事の関係も天候の関係もあるし、どう漕げばいいのか。なにしろ昨年のように、天気が良くなるまで待っているなどということができないので、いったん出たら最後、蒲郡まで漕ぎきってしまうしかない。そこで、夏休みのスケジュールをあれこれ調整して、4連休を3回作った。天候を見計らって、この3回のうちのどこかに漕げる時があるだろうという魂胆だった。

 ところが、こうしてあれこれ仕事先やら、かわうそ号を預かってもらう話やらが終わり、一息ついたところで、7月6日になって、またとんでもない話が飛び込んできた。7月12日からあるはずの仕事がキャンセルにるかもしれないという話だった。もしこの仕事がなくなると、河童のスケジュールは11日から16日まで何もなくなる。しかし、これが正式に決まるのが、なんと10日の夕方。それでなくても、いろいろなところへ無理なお願いをしまくっていて、これ以上のわがままはさすがにまずいと思っている河童だが、漕げる時に漕いでおかないと、チャンスは2度と来ないかもしれない。そこで、またあちこちに連絡して、もしかしてこういう話になるかもしれないので…と、前に頼んだことをひっくり返すようなお願いを、またくり返すことになってしまった。

 はたして、10日の夕方、河童の願い通り、仕事がキャンセルになった。天気図をチェックしても、梅雨前線は東北に上がり、太平洋高気圧のシッポがはりだしていい感じである。このスキをねらうしかない。というわけで、再びこの夜、ほうぼうに電話して、なんとか翌日から行動できるように段取りを組んだのである。

 11日、まずかわうそ号を置かせてもらっていた岐阜羽島のG藤さんの工房へ走った。ここでG藤さんのトラックにかわうそ号をのっけて、一路さらくわへ向かった。「さらくわ」というのは、東海地方のシーカヤッカーやら誰でも知っている、カヌー系ロッジである。今回、どうやってもかわうそ号を置かせてもらわないと予定が組めなくなって、さして面識もないここに無理にお願いして、かわうそを置かせてもらうことになっていた。それがこの予定変更で、今度はかわうそではなくて、車を置かせてもらいたいという話になり、河童としてはだんだん心苦しくなっていった次第である。そもそも、G藤さんのトラックも同じで、はじめの計画では1日借りて、かわうそだけ置いて帰ってくるはずだったのが、結局蒲郡まで漕いでから取りに行くという話にかわってしまい、どんどん迷惑度が増していったのである。

 さて、そんなふうに迷惑をまき散らしながら、かわうそ号はさらくわに着いた。さらくわに着くと、なぜか日本一周の大先輩、M田さんがみえて、日本一周談義が始まってしまった。今度またゆっくり話をしましょうといって、M田さんは帰っていった。今度会うのが楽しみである。

 こうして、1日目は過ぎていった。体より、心の疲れた河童は、ビールに酔っぱらいながら、眠りに落ちるのである。

                                     続く

さらくわの前にて。
朝の5時。