おっかけきゅうり

  2004年5月19日

冬眠中

 今回は能登の話をすっとばして特別編、きゅうりさんのおっかけ日記にを書く。

 ところで、ようやく部屋が決まった。そこで一気に引っ越しと行きたいところなんだが、こんなに早く部屋を決めるとは夢にも思っていず、今月は仕事を目一杯入れてしまった。ひとまず30日までは動きようがなく、引っ越しの用意を適当にしながら、ぼちぼち荷物を運び入れたりしながら過ごしているのだ。
 しかし、これで話が終わらないのが河童なので、電話を引こうとして問題が出てきた。というのは、アパートなので1回線はついている。ここへ休止している電話回線を引けばいいわけなんだが、ちと事情があってISDNを引こうとした。FAX用の番号が欲しいのだ。NTTに電話かけて、そう伝えると、なんとその地域は調査が必要と返事が返ってきた。なんのこっちゃ、ADSLじゃないんだぞ、と思っていたが、NTTからの返答を聞いて驚いた。なんと収容局から遠いので、ISDNを引くだけでも2回線使わないとダメらしい。これはNTT側の問題なので、料金はISDN1回線分でいいらしいが、2回線を最終的に1回線にまとめる工事が必要になるとかで、開通までに4日ほどかかるとか。しかも、どうせ引っ越しできないので、開通だけしておいて、あとは電話もつけずに放置しておこうと思ったら、工事に立ち会った上、開通確認をしてくれとか。ISDNを引くとターミナルアダプタという装置が必要になる。こいつを10年ぐらい前に買って持っていたんだが、引っ越しの荷物の中に紛れたらしく、現在行方不明なのだ。しかし、開通確認をするとなると、こいつがないと困るわけで、探さないとまずいのだ。どこにあるんだよ…。
 というわけで、引っ越しまで、まだ前途多難です。

 さて、きゅうりさんの話だ。きゅうりさんというのは、今給黎教子さんという人のことで、単独太平洋往復とか、単独無寄港世界一周だとかをやったことのある有名ヨット乗りで、現在、鹿児島からアクアミューズという、カヌーにセールをくっつけた小さなフネで日本縦断をしている。昨年、鹿児島から静岡県清水まで走って、今年再び清水から再出発するというので、見送りに追いかけていった。しかし、ジェフとハダス、河童、きゅうりと、日本一周とか縦断とか、1年ではできないようになってるねえ。オレなんか「1年で帰ってくるっていったのに…」と責めてくれる女の子もいたのだが、それも昔の話だ…(遠い目)。
 それはいい。いや、よくないけどいい(笑)。ともかく、こういう事情できゅうりさんを清水まで見送りに行ったわけだ。

 前日、10時頃まで仕事をしていた。当初の予定では、このまま清水まですっとんでいって、翌朝早くに出て行くであろうきゅうりを見送るはずだったのだが、天気が悪い。翌日は雨の予報で、河童的には「出られない」と判断した。名古屋ではすでに雨が降っており、雨の中でテントを張るのもめんどくさい。ということで、出発は翌朝にまわすことにしたのである。

 翌日、6時に起きてみると、予想したとおり天気は良くない。残念だねえ〜などと思いながら車にパソコンを持ち込んで、GPSをセットしていると7時頃になってしまった。ちゃんとしたナビは持っていないし、かといって高速を降りたあと、海岸まで行く間の地理が不案内なので、その昔ソニーが売っていたパソコンでできるナビというものをつんでいったのだ。
 無事ナビもつき、目的地までの案内を開始します、という軽やかな音を聞きながら、河童の最近、駐車場でぶつけられた愛(してない)車は、東名高速を東に進んだのである。

 これで迷うことなく清水に着けるかと思ったが、磐田を過ぎた辺りでエアコンが効かなくなった。外は雨が降っているので、エアコンが効かないと窓が曇る。なんでだよ〜と文句をいいつつ、窓を開けて走ったが、やっぱりおかしい。というか、蒸してしまってかなわなくなってきた。だんだん自分かシュウマイになっていくような感じである。水温計を見ると、針が目一杯上がっているではないか。おお、なんだ、これか。原因はわかったものの、とりあえずは車を止めないとしかたない。ま、エンジンなんてそう簡単にこわれるものでもないし、まして水冷エンジンなんて、冷却水が蒸発しきるまで焼き付かないと、固く信じている河童は、そのままアクセルをゆるめることもなく、次のPAまでつっぱしった。
 PAに入って、ボンネットを開けると、リザーバーから勢いよく蒸気が上がっていた。あ〜あと思いつつ、アイドルのまましばらく回し、次にエンジンを止めて温度が下がるのを待った。こんなところで、あわててラジエーターキャップ何ぞをはずしたら、懐かしの熱湯コマーシャルか、画家になる前の鶴太郎になってしまう。売店でコーヒーをゆっくり飲んで帰ってくると、ちょうどいい頃合いに温度が下がっていた。人肌、というところである。ラジエーターキャップをはずしてみると、案の定、冷却水がない。いつも後ろにつんでいるペットボトルの水を入れると、500CCぐらい入っていった。まあ、これくらいなら継ぎ足しながら走ればいいや、ということで、再び走り出した。温度が下がったので、エアコンもまた効くようになった。

 途中、もう一度水を足したが、原因もわかったので、特に気にしないまま清水に着いた。海水浴場に行くと、なにやら怪しげな集団のテントが固まっていて、近くに行くと、suisuiさんはじめとする「悪い友達」がたくさん集まっていた。
 この天気では出ないだろう、と思っていたのだが、きゅうりさん本人は迷っている様子で、
「どーしよっかなー」
などと言っている。駿河湾はなぜか上空に前線ができやすく、吹き出すとやたらめったら吹くということは、経験で知っていたが、謙虚な性格の河童は、きゅうりさんを迷わしてはいけないと思い黙っていた。なにしろ、こういう時のギャラリーほど判断を誤らせるものはないのだ。せっかく見に来てもらってるのに、という気持ちと、やっぱりちょっとやばそうだな、という気持ちと、まわりが何も言わなくても、本人は結構気にしているのである。できればこういう天気の見送りはない方がありがたい。

 結局、きゅうりさんは出ることを決めて、じゃあね〜などといいながら行ってしまった。残った我々は、ニュースのために、やらせの手をふったりしながら、砂浜を引き上げた。河童の清水滞在時間は30分であった。

 この後、高速代をケチって一般道を走っていたが、1時間走って、まだ静岡市内から抜け出せていないことに気づいた。これでは、いつまでたっても帰り着かないと、おとなしく高速に乗ったものの、水のつぎ足しになれてきて、うっかり熱湯コマーシャルをやらかしてしまい、全身小火傷をおって、帰り着いたのは夕方だった。

 なんかねえ、疲れたんだけど。気のせい?

空は不気味に曇っていた。
フネをセットするきゅうりさん。
下に風呂マットが敷いてあるのは、
河童と同じ。
きゅうりさんの場合はお尻が痛いらしいが、
河童の場合はかかとが痛い。カヤックの場合、
かかとがついたままになるからだ。
ハダスも同じ症状だったようで、ソルボレイン付の
サポーターを送ったが、使ってたのか?