冬眠中
ヘンな外人と遊んでいたのを言い訳に、更新をさぼっていた河童です。あの二人のことはともかく、松ヶ崎でおこった事件とはなんぞや。予告を出したまま、放置するとはどういうこっていと、柄のよくない友人から更新強要メールも来たので、そろそろ書くことにする。
松ヶ崎に入ったものの、翌朝も東風がびゅんびゅん吹いたいた。朝から、雨も混じっていて、これではもうできることがない。
しかたがないので、前日に買ってきた缶チューハイをあけ、文庫本の鬼平犯科帳をながめていた。普段は自分からアルコールを口にすることのない河童であるが、人からすすめられた時と、おごられる時と、暇な時は多少飲む。この多いか少ないかは微妙なところだ。基本的に、貧乏性にできているから、コップに酒が残ったまま帰るということは、もったいなくてできない。そこで、せめてコップにつがれた分は飲み干して帰ろうと努力して、飲み干すのだが、そうすると次にまた注がれてしまうので、結果大量に飲んでいることになる。一度、漁師に、
「河童さん、よく飲むな〜」
と、感心されたが、とんでもない誤解である。あんたが注ぐから、飲んだんだ。
しかし、この時のチューハイは効いた。たかだか500ミリのチューハイが、かなりおいしかったのである。ちなみに、河童のチューハイの選び方というのは、味に関係なく、アルコール度の高いものを選ぶ。同じ値段、同じ銘柄のチューハイでも、味によってアルコール度が違うのだ。同じ金額なら、酔っぱらえる方が得である。
快調に1本目を開け、2本目に突入した。もっとも、手持ちはこの2本キリで、これでお終い、である。
まったく、いつになったら秋田につくんだろうえね。この先、男鹿半島もあるし、とりあえず能代まで行くのに、どれだけかかるんだよ。そもそも、青函フェリーがかわうそ号を乗船拒否してるから、能代まで行ったところで、津軽海峡を渡る手段は、自分で漕ぐよりないぞ。そうすると、竜飛まで行って、自力で渡ることになるけど、この調子では竜飛まで行くのに、どれぐらいかかるか想像がつかない。去年といい、今年といい、どうしてこんなに天気が悪いんだ。などと、ぶつくさ思いながら2本目を開けていた。どうせ、これで終わりだし、酔っぱらったら寝てしまうのだ。起きていても、できることがないのだ。
と、2本目を軽く開けたところで、尿意をおぼえた。1リットルも飲めば当たり前である。そこで、面倒だと思いながら、テントを出て、岸壁に歩いていった。かなり酔っぱらった感じで、足下がふらふらした。さて、そこで
「構えて〜、打て!」
とやったところから、記憶がないのである。
気がつくと、上の方にきらきらと光るものが見えた。
続く
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引っぱるな〜。 |