パソコン修理中の間のこと(6)

2004年1月19日

冬眠中

 いよいよ自衛隊がイラクに行くようで、あれこれと騒がしいな。タイミング的には、すっかり遅すぎる気がするんだが、行かないよりは行った方がはるかにましである。これについては色々と意見があるだろうが、公平に見て、日本が手を出さないわけにはいかないだろう。現実的に対処して、恩を売っておくべきだと思うが。
 一応、社会科の講師でもあるので、河童の分析などを書いてみる。アメリカがなんであんな強引な手段をとってまでイラクを押さえにかかったかというと、これは対中国政策の一環だな。なぜかというと、中国は昨年から、原油の輸入国に転換して、自国の輸出する石油より、輸入する石油の量の方が多くなった。この先、13億という人間が経済発展するとすれば、莫大なエネルギーを消費することになる。そして、そのエネルギー源は、現状では石油以外に考えられないのだ。つまりは、石油を押さえれば、中国を押さえられる。すでに莫大な対中貿易赤字を抱えるアメリカとしては、21世紀、中国の台頭を許すわけにはいかないのだ。
 アメリカはすでに、世界最後のジャイアント(巨大油田)といわれるカスピ海の権益を押さえ、そのパイプラインのルートとなるアフガニスタンのタリバンをつぶして、事実上21世紀の石油を支配しつつある。あと反米的な産油国はイランとイラクだけだった。この二つを抑えてしまえば、ほぼ完全に世界の石油を押さえることができる。そこで、多少強引なきらいはあるものの、イラクを押さえにかかった。今回、イラクを押さえてしまったわけで、これでほぼ世界中の石油権益はアメリカが手に入れた。あとはイランだけだが、イランがいくらがんばったって、この先中国が消費する石油をすべてまかなうにはとうてい足りないから、これでアメリカの対中政策はかなり完成したものになった。
 そこで、日本なんだが、これは人も金も出すしかないでしょう。というより、いままで出してない方がおかしいんだ。日本の石油輸入割合99.7%。どうすんの?

 とまあ、難しい話はこれでお終い。本当は、この200倍ぐらい書くことがあるんだが、だれも読まないと思うのでやめておきます。

 前回、象潟まで書いたから、そこからだな。

 一泊して、翌朝早くに象潟を出発した。天気は良かったが、どうも雰囲気的に太陽が上がってくると、東風が吹きそうな感じがして、岸寄りをずっと漕いでいた。はたして、9時ぐらいから風が吹き出して、芹田岬というところを通り過ぎたあと、岸に近づくのに2時間もかかった。ここのログを見ると腹が立ってくるぐらいのそのそとしか進んでない。このあたりの海岸は、岸沿いが少し高くなっているので、岸寄りに進む分にはなんとかなる。そこで、岸よりも岸より。砂浜に並んでいるテトラポットよりも内側を通って進んでいった。
 そうして進んでいくと、秋田県警のヘリが南へ飛んでいった。しばらくして、ヘリが戻ってきた。象潟の少し向こうが県境で、ヘリなら5分の距離である。おお、県境で戻ってきたんだな、と思っていると、なにやらこちらに近づいてくる。おやおや、またかよ、と思っていると、頭の上を通り過ぎ、砂浜の上でホバリングすると、スピーカーでなにやら叫びだした。砂浜には、サーファーらしい男が1人寝ていて、ヘリが言い終わると、わかったというように手を挙げた。人からヘリへは声が聞こえないので、わかったら手を挙げてください、などというのは保安庁も警察もよく使う。これを見て、秋田県警は仕事してるな〜、砂浜で寝ているサーファーにも気をつかうんだ〜、などと感心して北上を続けた。しかし、よくよく考えてみたらおかしいのである。寝ているサーファー1人に気をつかう秋田県警が、ひょこひょこ漕いでいる黄色いかわうそ号を見逃すわけがない。なにか言うのなら、こっちが先のはずである。
 なにやら不思議に思いながら漕ぎ進んでいき、とある海水浴場の前を通りかかった。日本全国どこにでもあるような海水浴場で、沖にブイが浮かび、浜にはバラック建ての休憩所が並んでいた。ところが、ちょうどここを通り過ぎようかとしたとき、スピーカーが突如がなりだしたのである。ブイの外を通っている河童にまで、そのアナウンスが聞こえた。
「先ほど、この近くでサメが発見されました。念のため、海から上がってください…」
 時を同じくして、ならしっぱなしになっているラジオからもそのニュースが流れ出した。秋田県警のヘリが、象潟の北、金浦町の沖合で体長4メートルほどのサメを見つけ、安全のため、近くの海水浴場は閉鎖された、という。なんだ、さっきのヘリじゃないか。サーファーにがなっていたのは、このことだったんだな、と合点した。
 しかし、感心している場合ではない。いくら浮いているとはいえ、河童の下半身は水面下にある。荷物をどっさり積んだかわうそ号の喫水はずっしりと沈んで、手を伸ばせば、いや伸ばさなくったって、水に手が届くのだ。サメに襲われたシーカヤックはないなどというが、これは論理矛盾で、喰われちまってるのに、どうやって報告ができる?

 と、どうも尻が落ち着かないまま本庄を越え、松ヶ崎というところまで漕いだ。
 港でこの話を漁師にすると、
「たぶんよー、サメはカワウソなんかく喰わねえと思うぞ」
と言われた。まあ、それならそれでありがたいのだが。

 ちなみに、サメはこの後南下したようで、次の日には、例の山形県警の巡視艇がこいつを見つけ、今度は山形県の海水浴場が閉鎖される騒ぎとなった。東北の短い夏は、こうしてさらにサメに食われることになったのである。

象潟から北はこんな感じ。
陸から吹いてくる風なので、
岸沿いにいけばなんとかいける。
怖いので、岸から離れなかった。
松ヶ崎から秋田まではこんな感じ。
海岸沿いに、テトラが入る。
はるか向こうに秋田市が見える。