尻子玉を抜く(1)

2003年11月1日

冬眠中

 2年も旅に出ていると、当然の事ながら、いろいろと不具合が出てくる。ガールフレンドのとの仲などというものは、真っ先に調子の悪くなるもので、これを気にしていると多分一生旅になど出られない。他にも、そこそこ稼いでいた仕事がなくなったり、住むところがなくなったり、まあいろいろするわけで、みんな旅から帰ってくると、ひとまずはこの不具合を直そうと努力するわけだな。

 河童の場合はというと、これまたいろいろな不具合が出ている。数えてみるとあまりに多いので呆然となってしまった。しかし、ほうっておくば、ますます事態は悪い方向に進んでいくので、ともかく優先順位をつけて、一つずつ解決するようにしている。そのために、毎日、あちらこちらにと走り回っているのである。本当のことを言えば、ガールフレンドとの仲を回復させることを最優先にしたいのであるが、こればかりは相手のあることでもあり、如何ともしがたく手がつけられない。
 そこで、優先順位2番目の、健康面の問題を解決することにしたのである。

 足かけ2年、都合1年もキャンプしながら漕いでいると、体はもちろんただではすまない。なにしろ、シーカヤックにもキャンプにも、いろいろな危険が潜んでいるのである。スロープで滑って転んだり、酔っぱらって岸壁から落ちたりと、まったくこの生活は危険きわまりないのである。打ち身、ねんざ、二日酔いは、旅とは切っても切り離せない。しかし、河童はそんなものよりも、ずっとめんどうな不具合をかかえながら漕いでいた。
 それは、痔である。
 実は、昨年、那珂湊マリーナにいる時に、突如としてこのややこしく、やっかいな病気にかかってしまったのである。その後、いろいろと手を尽くしてみたが、いかんせん旅の途中ということもあって病院にも行けず、ずるずると今年の旅が終わるまで来てしまったのである。それほど、というか痛くもなしかゆくもなし、軽症だったからそれも可能であったのだが、いつ悪化するやも知れず、携帯用シャワートイレを片手に、ひやひやしていた。

 今回、帰ってきて早速、病院に行ってきたのである。この病院での話も、いろいろとあったのだが、ともかく11月18日入院、19日手術ということになった。河童が尻子玉を抜くのである。あ〜あ。

 しか〜し、おそらくこのページの読者の中にも、ぜひともその詳細を教えてほしいという潜在的要望は多いはず。よって、これからしばらく、この尻子玉シリーズを続けることにする。タイトルは、海道をゆく番外編「尻子玉を抜く」シリーズ、なのである。