北の宿から

2003年9月13日

北海道稚内市

 あなたかわりはないで〜すか〜? 

 かわりはあるのである。昨夜、またしても酔っぱらって岸壁から落ちた。今回は下は海ではなくて、斜路の波打ち際。昼間揚げた漁船からこぼれた油と泥が混ざったところに、左側から落ちたらしい。気が付いたら泥にまみれて転んでいて、左腕と左の脇に激痛がはしっていた。今日、宿に入ってから湿布を買いにいってはってみたが、うっかり左腕に力を入れたり、咳をすると痛いの何のって…。
 というのも、すっかり出る気で準備しているので、昨日も昼飯用のパンが大量にあまったのだ。漕いでいるあいだというのは、無茶苦茶な量食べるから、漕がないとなると、朝、昼、パンを食べてもまだあまる。かといって、せっかくケチケチ暮らしているのに、捨てるのもくやしいので、夜もパンを食べていたのだが、さすがに3食パンというのはイヤになる。そこで、これをなんとか流し込もうとパンと一緒にラム酒なんぞを飲んでいたのだ。これが効き過ぎたようで、ちょいと小用を足そうかと表に出て、岸壁に立って用を足しているうちに意識がなくなった。前回とまったく同じパターンである。前回は落ちたところが、もろに水の中であやうく水を飲むところだったが、今回はコンクリートと泥の上。どっちがマシだったのかはわからない。前回は冷たく、今回は痛い。どちらにしても危険なことはたしかなので、今後とも飲むときには注意しよう。

 台風は日本海を通っているようで、どうも本土の人たちは関心が薄いみたいだな。昨日なんか、気象庁が1時間ごとの観測を止めてしまって3時間ごとに切り替えたとかとんでもないことをいっていたけど、東京から遠いととたんにこれだからかなわない。こちらは昼過ぎから少しずつ風が上がってきて、6時現在やや強い東風が吹いている。かわうそ号は、しばれるだけしばって、港においてきた。なにしろ、本船用の造船所なので、そもそもの大きさが違ってどうしようもない。もう少し引き上げようかと思ったけど、H鋼がごろごろしていて揚げられないし、ロープをとろうにも、届くロープがない。あきらめてそのままにしてきてしまった。まあ、造船所自体がものすごく入り組んだ港の一番奥だし、かわうその後ろにはでかい台船がおいてあるので、波が打ち込むことはないと思う。問題は、潮位がどれぐらい上がるかで、あまり上がるとかわうそが浮いてしまう。ま、そこまでは大丈夫でしょう。

 さすがに台風だけあって、稚内港の中にもいろいろなフネが避難してきていた。漁船は市場の前から一番奥の造船場の近くに移動してきたし、自衛隊のフネも入ってきたようだ。6時半現在、宗谷地方には暴風波浪警報が発令中である。河童はと言うと、くだんの海員会館でちゃぶ台の前で座椅子に座り、野球を見ながらこれを書いているのである。先ほどちと横になろうかな、なんて横になったら、知らないあいだに1時間ほど寝てしまった。さすがにテント暮らしの疲れが出てきた。明日も吹いてたら、無理せず連泊しよう。

昨日の夕焼け。
最北の夕焼けである。
このビット、波打ち際にあるんだが、
今日は潮位が上がったのか沈んでいった。
ちなみにこれからもロープを引っぱってある。
荷物を全部くくりつけて、ハッチは閉めた。
上の方に鋼材がおいてあって、これ以上は
上にいけない。
でも、後ろの水面はこれだけしか開いてない。
波はあがらないと思うんだけどなあ。
結果は明日わかる。こわ〜。